交通事故

自動車事故に関する法律知識

運行供用者とは?

自賠法3条による運行供用者に対する賠償責任を追及する方法は
運行供用者(加害者側)がほとんど無過失責任に近い賠償責任を負わされているため
人身事故の被害者がもっとも損害賠償請求をしやすい方法でしたね。

今回は、運行供用者とは、いったい誰なのか?をみていきたいと思います。

運行供用者とは
「自己のために自動車を運行の用に供する者」のことで
自動車の運行を支配し、運行の利益を得ている者のことといわれています。

<運行供用者の例>

・自己所有の車を運転する者
・夫(親)名義の車を妻(子)が運転中に事故を起こした場合の夫(親)
・運転手が事故を起こした場合のバス会社・タクシー会社・運送会社等
・車を貸した友人が事故を起こした場合の貸主など

実際に交通事故を起こした運転者だけでなく
運転手の雇主や自動車の貸主(所有者)などに対して
損害賠償請求ができるということになります。

ただし、この運行供用者になる基準は明らかではなく
個々の事例を検討することになります。

判例で運行供用者とは
「自動車の使用についての支配権を有し、かつ、その使用によって享受する利益が自己に属する者」(最判昭和43年9月24 日)
運行供用者はその自動車の運行支配と運行利益の帰属するものとされています。

その後、最高裁は、
・運行支配について間接的支配ないし支配の可能性で足りるとするもの(最判昭和43年10月18日)
・客観的・外形的な支配で足りるとするもの(最判昭和44年9月12日)
・自動車の運行について支配をなすべき責任があることをもって、運行支配ありとするもの(最判昭和45年7月16日)
・自動車の管理責任と運行供用者責任を結びつける判断として「本件自動車の運行を事実上支配・管理することができ、社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないよう監視、監督すべき立場にあった」点を重視し、運行供用者性を肯定するもの(最判昭和50年11月18日)

判例の傾向として、運行利益よりも運行支配の比重が高まっているようです。

たとえば、
学生が親の車を運転中に起こした事故の場合
運転手である子と車の所有者である親との賠償資力を考えると
どちらに賠償請求するほうがいいでしょうか?

交通事故で実質的に賠償が受けられるかは
誰に損害賠償請求するかによって大きな差が生じます。

「自賠法3条の責任を誰に負わせるのか?」ということが問題となります。

次回は、誰を相手に損害賠償請求すればよいか?を考えていきたいとおもいます。
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