交通事故

自動車事故に関する法律知識

応急手当③~救急蘇生法~

倒れた人を発見した場合にどのように対応すればよいか。
「救急蘇生法の手順」についてご案内します。

<傷病者の発生!!>

Ⅰ.反応を確認
倒れている傷病者を発見したら、周囲の安全(車の往来、火気、室内では煙の充満など)をすばやく確認してから、その人の反応の有無を確認します。

1.倒れている人の肩を軽く叩きながら大声で呼びかける。

2.目を開ける、何らかの応答がある、目的をもった仕草がある場合は「反応あり」、それらが認められない場合は「反応なし」とみなす。
※乳児の場合は、足底を刺激して顔をしかめたり泣いたりするかで判断してもよい。


Ⅱ.早期認識と通報
傷病者の反応がなければ、心停止の可能性をただちに疑い、次の手順で周囲の人を集め、119番通報やAEDの用意を手分けして行います。

1.大声で叫び、応援を呼ぶ
「人が倒れています!」「誰か来てください!」などと大声で叫び、周囲の注意を喚起して、救命活動に協力してくれる人を呼び集める。

2.119番通報・AED依頼
集まってきた人に「そちらの方は119番通報をお願いします!」「どなたか近くにAEDがあるのを知りませんか? そこからAEDを持ってきてください」などと具体的に依頼する。

3.通信指令員の指示を仰ぐ
119番通報をした市民救助者(救命訓練の経験がない者)は、通信指令員から心肺蘇生などの指示やアドバイスを受けて、落ち着いて対処する。


Ⅲ.呼吸を確認
新しいガイドラインでは、市民救助者による呼吸の確認方法が簡略化されました。これまでの気道確保を行う必要はなく、すばやく呼吸停止=心停止を判断して、心肺蘇生を開始することが重視されるようになりました。

1.傷病者の胸部と腹部の動き(呼吸により上がったり下がったりするか)を集中的に観察する。これを10秒以内で行う。
2.1.の動きが確認できないときは「呼吸なし」と判断する。また、異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められる場合も「呼吸なし」と同じ扱いにして、ただちに心肺蘇生を開始する。


Ⅳ.気道確保と回復体位
傷病者に普段どおりの呼吸が認められるときは、気道確保を行い、応援や救急隊の到着を待ちます。救助者があなた1人で、応援を求めるためにやむを得ず現場を離れるときは、傷病者を回復体位にします。

<気道確保>
1.傷病者を仰向けに寝かせ、顔を横から見る位置にひざまずく。
2.向かって頭側の手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先をあごの先端(骨のある硬い部分)にあてる。
3.あごの下の軟らかい部分を指で圧迫しないよう注意しながら、あご先を持ち上げ、顔がのけぞるような姿勢にする。
4.傷病者の呼吸状態を継続観察し、呼吸が認められなくなったら、ただちに心肺蘇生を開始する。

<回復体位>
1.横向きに寝せた傷病者の下側の腕を前に伸ばし、上側の腕を曲げて、その手の甲に顔を乗せる。姿勢を安定させるため、上側のひざを約90度曲げる。
2.傷病者のもとを離れるときは、回復体位に保つことが望ましいが、まれに下側の腕に荷重がかかり、血管や神経が圧迫・損傷することもあるので、長時間の同じ姿勢は避けるよう注意する。



Ⅴ.心肺蘇生・胸骨圧迫
すべての市民救助者は訓練経験の有無にかかわらず、心停止と判断される傷病者に対し、胸骨圧迫による心肺蘇生を行うことが重要です。
強く・速く・絶え間ない胸骨圧迫によって、救命率は大幅に向上します。その方法をしっかり習得しておきましょう。

心肺蘇生は胸骨圧迫から開始する

1.仰向けに寝かせた傷病者の胸の横にひざまずく。胸骨圧迫はできるだけ硬いもの(床など)の上で行う。脱気できるマットレスなら、すばやく空気を抜く。

2.胸骨の下半分(胸の真ん中が目安)に片方の手のひら基部(手首に近い部分)をあて、もう片方の手を重ねて組む。垂直に体重が加わるように腕を真っすぐ伸ばし、組んだ手の真上に肩がくるような姿勢に。

3.成人(8歳以上)に対して
手のひら基部だけに力が加わるよう意識しながら、傷病者の胸が少なくとも5cm沈み込む程度に圧迫する。
小児(1~8歳未満)に対して
成人と同じ方法で、胸の厚さの約1/3の深さを目安に圧迫する。体格に応じて両手、片手のどちらで行ってもよい。

乳児(1歳未満)に対して
胸の真ん中に指を2本当て、胸の厚さの約1/3の深さを目安に圧迫する。

4.1分間当たり少なくとも100回のテンポで胸骨圧迫を行う。

5.毎回の圧迫の後で、胸が元の高さに完全に戻るように十分圧迫を解除する(ただし、胸骨圧迫が浅くならないように注意する)。

6.救助者が疲労して、圧迫の強さ、速さ、解除(胸の戻り)などが不十分になるのを防ぐため、周りに協力してくれる人がいたら、1~2分ごとを目安に胸骨圧迫の役割を交代する。交代による胸骨圧迫の中断は最小限にとどめ、休んでいる救助者は、胸骨圧迫の位置、テンポ、深さが適切に維持されているかをチェックする役目に回る。


Ⅵ.胸骨圧迫+人工呼吸
心肺蘇生の訓練を受けて人工呼吸を実施できる市民救助者は、胸骨圧迫に人工呼吸を加えて「30回:2回」の割合で行います。

1.胸骨圧迫30回を行った後に、人工呼吸2回を行い、この組み合わせを1サイクルとして絶え間なく続ける。
※小児・乳児も同じ方法でよい。ただし、2人以上の救助者が交代で小児・乳児に対し心肺蘇生を行う場合は、胸骨圧迫と人工呼吸の比を15:2とする。

<人工呼吸>

1.気道を確保した姿勢から、額側の手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、吹き込む息が鼻から漏れ出さないようにする。

2.口を大きく開き、傷病者の口をおおうように密着させる(1歳未満の乳児の場合は、口と鼻を同時に口にふくむ)。

3.約1秒かけて、傷病者の「胸が上がることが確認できる程度」の息を吹き込む。

4.いったん口を離し、息が自然に吐き出されるのを待って、2回目の吹き込みを行う(1回目で胸が上がらなかった場合は、気道確保をやり直してから2回目を吹き込む)。


Ⅶ.AED(自動体外式除細動器)
AEDは、心臓突然死の原因になる心室細動(不整脈)を、電気ショックによって取り除く(除細動)装置です。AEDが到着したら、すみやかに傷病者に装着し、除細動を開始します。音声やランプの指示に従い、誰でも簡単に操作ができるようになっています。

1.AED到着
AEDが到着したら、傷病者の頭の近くに置き、ただちに使う準備に移る。救助者が2人以上いる場合は、準備の間も心肺蘇生を続行する。

2.電源を入れる
フタを開けると自動的に電源が入る機種と、電源を押して作動する機種がある。電源がついたら音声ガイドとランプの点滅に従って操作する。

3.電極パッドを貼る
傷病者の衣服を開き、胸をはだける。電極パッドを袋から取り出し、パッドに描かれた絵の位置を参考にして、1枚を前胸部、もう1枚を側胸部の肌に直接貼り付ける。
(※電極パッドのケーブルをAED本体に差し込むことが必要な機種もある)

4.心電図解析
電極パッドが正しく貼られると、「傷病者から離れてください」などの音声ガイドが流れ、自動的に心電図解析が始まる。(※解析ボタンを押すことが必要な機種もある)。誰も傷病者に触れていないことを確認する。

5.電気ショックの指示が出たら
AEDが自動的に充電を開始。誰も傷病者に触れていないことを再度確認し、充電完了を知らせる音声ガイドやボタン
点滅による指示に従って「ショックボタン」を押す。この瞬間、傷病者に強い電気が流れ、体がビクッと突っ張るのがみられる。

6.心肺蘇生とAEDを繰り返す
4.の心電図解析で「ショック不要」の指示が出たときや、5.の電気ショック後は、ただちに胸骨圧迫を再開する。約2分後にAEDが再び自動的に心電図解析を始めるので、4.からの手順を繰り返す。

7.続行/中止の判断
傷病者が(嫌がって)動き出すか、救急隊などに引き継ぐまで続行する。傷病者が動き出して心肺蘇生⇔AEDを中止しても、電極パッドははがさず、電源も入れたままにしておく。

以上、救急蘇生法の流れになります。
文章で読んだだけでは、なかなか理解するのは難しかったのではないでしょうか。

もし、突然救命の現場に居合わせたら、
あなたはとっさに心肺蘇生やAEDを行うことができますか??

一応の知識はあっても、
実践経験がないとやはり躊躇してしまいますよね!!

そうした時間の遅れが
傷病者の救命率をどんどん下げてしまうことになります。
各地の保健所や医師会などで、
心肺蘇生訓練用マネキンやAEDを使った
市民向けの講習会が開催されています。
是非この機会に
大切な家族や友人と参加し、
実際の手技を体験して、
いざというときの速やかな救命行動につなげてください。

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